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2022 年度 実施状況報告書

神経障害性疼痛における脊髄GABA受容体機能変化とオピオイド作用減弱機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16545
研究機関群馬大学

研究代表者

廣木 忠直  群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (90736753)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード神経障害性疼痛
研究実績の概要

オピオイドは侵害受容性疼痛に対して強力な鎮痛作用を持つが、神経障害性疼痛ではその作用が減弱する。我々はセロトニン作動性下行性痛み調節系における脳幹の核である中脳中心灰白質(periaqueductal gray :PAG)にモルヒネを投与し、脊髄後角セロトニン3受容体及びその下流にあるγアミノ酪酸(GABA)作動性神経の鎮痛作用減弱への関与を検討し、各種実験を施行した。その結果セロトニン作動性下行性痛み調節系、特にその下流の脊髄後角GABA受容体作用が抑制性から興奮性へ変化することが原因である可能性を学会報告していた(Neuroscience 2019. 2019.10.19-23. Chicago, USA.)。その学会報告ではセロトニン作動性下行性痛み調節系を構成する中脳水道周囲灰白質にモルヒネを投与した際の機械刺激に対する鎮痛効果が神経障害性疼痛モデルラットでは減弱すること等を示していたが、新たに熱刺激に対する鎮痛効果を調べる実験内容等を追加し論文化した。その論文が修正再投稿を経てJournal of Pain誌に採択された(J Pain. 2022Apr;23(4):547-557.)。
新規薬剤の開発が限定的な中、現状使用できる薬剤の効果を高める、副作用の出現を減らすことは臨床的意義が非常に大きい。本研究によってオピオイドの鎮痛作用減弱メカニズムを明らかにし、将来的に鎮痛効果を高める併用薬剤等を検討することで、神経障害性疼痛や治療薬の副作用の軽減に寄与できると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

発表した成果を受けて薬理遺伝学的手法を用いることでGABA作動性神経を人為的に制御し、痛み行動やGABA濃度を観察することで、オピオイドの鎮痛作用における脊髄後角GABA受容体の役割を検証する準備を進めているが、実験開始に至っていない。

今後の研究の推進方策

所属施設に遺伝子組み換え動物を用いた実験計画書を提出し、委員会で承認を受けた。遺伝子組み換え動物であるVgat-Cre ratの作成依頼を進め、実験を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で学術集会参加にかかる旅費が軽減された。またラット購入等が計画よりも遅れている要因もある。今年度の実験等の費用として使用していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Randomized active-controlled study of a single preoperative administration of duloxetine to treat postoperative pain and numbness after posterior lumbar interbody fusion surgery2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Tadanao、Fujita Nao、Suto Takashi、Suzuki Hideo、Tsukamoto Noboru、Ohta Jo、Saito Shigeru、Obata Hideaki
    • 雑誌名

      Medicine

      巻: 101 ページ: e32306~e32306

    • DOI

      10.1097/MD.0000000000032306

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Duloxetineの術前投与が腰椎広報椎体間固定術術後痛やしびれ症状へ及ぼす効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      廣木忠直 藤田尚 鈴木英雄 塚本昇 須藤貴史 小幡英章
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第69回学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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