研究課題/領域番号 |
21K16550
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
早水 憲吾 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70444833)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 線維芽細胞 / 筋線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
生命予後の改善に向けた麻酔管理におけるエビデンスを構築する基礎的研究として本研究を立案した。本研究の目的は、現在ひろく使用されている麻酔薬が線維化にどのような影響を与えるかを検証することである。研究計画としては以下の3つの実験を行い研究を遂行していく計画としていた。 1.線維芽細胞から線維化の中心をなす細胞である筋線維芽細胞への分化に及ぼす麻酔薬の影響を明らかにするために線維芽細胞を用いて線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化はTGF-βを用いて行い。筋線維芽細胞への分化に対する麻酔薬の影響について、αSMAの発現を指標として検討する予定とした。 2.筋線維芽細胞の機能に及ぼす麻酔薬の影響を明らかにするために以下の研究実施計画を立案した。2-1.細胞外マトリックスの分泌への 影響を明らかにする。コラーゲン1A1、フィブロネクチン、ペリオスチンの発現レベルに対する麻酔薬の影響をタンパク質レベルおよびmRNAレベルで検討する予定であった。2-2.細胞収縮力への影響を 明らかにするために、線維芽細胞からTGF-βにより分化させた筋線維芽細胞を用いて、麻酔薬の収縮力への影響をコラーゲンゲル収縮アッセイにて評価する予定であった。 3.筋線維芽細胞の増殖に及ぼす麻酔薬の影響を明らかにするために筋線維芽細胞の培養を行い、細胞の増減を見ることでその増殖能を測定、麻酔薬で修飾した筋線維芽細胞の増殖能と比較する予定であった。 2021年度は主に上記1の細胞レベルでの研究を行なっていく予定であったが、コロナ禍による物品の入手困難、研究責任者の研究へのエフォート不足により研究はほとんど進行していない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年7月の研究費の交付となったこと、また7月は新型コロナウイルスのワクチン接種などの影響により、冷凍の物品の流通が滞り、入手が困難であったこと、新型コロナウイルス感染症の重症感染者の人工呼吸管理などのため、世間一般的に人工呼吸管理を行うにあたっての鎮静薬(麻酔薬)の流通が減少していたため、入手することが困難であったことで実験の進行が困難であった。 また、研究責任者の研究へのエフォート不足もあり研究はほとんど進行していない。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月においても立案した3つの実験を柱とする研究を行うにあたり十分な物品を揃えることができていない。可能な限り必要物品をそろえ、研究を遂行していく予定である。 2022年度は立案した3つの実験のうちまず、 1.線維芽細胞から線維化の中心をなす細胞である筋線維芽細胞への分化に及ぼす麻酔薬の影響を明らかにするための実験と 2.筋線維芽細胞の機能に及ぼす麻酔薬の影響を明らかにするための実験 から実験を行なっていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年7月の研究費の交付となったこと、また7月は新型コロナウイルスのワクチン接種などの影響により、冷凍の物品の流通が滞り、入手が困難であったこと、新型コロナウイルス感染症の重症感染者の人工呼吸管理などのため、世間一般的に人工呼吸管理を行うにあたっての鎮静薬(麻酔薬)の流通が減少していたため、入手することが困難であったことなどから、次年度使用額が生じる結果となった。また海外渡航が可能となった際には海外の学会での演題発表も視野に入れている状態である。
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