研究課題
最終年度は、現在十分に理解されていないレミマゾラムによる全身麻酔中の脳波解析を進めるため、加齢や術前の認知機能がレミマゾラムを用いた全身麻酔中の脳波に与える影響について検討する前向き観察研究を開始した。術後譫妄に関連するパラメータの解析は、レミマゾラムの脳波を十分に理解してから行うべきと考えている。目標症例数は90例で現在15症例の収集が終了しており2024年度内に成果報告をすることができると考えている。また、レミマゾラム全身麻酔中の脳波に関しては、Stiff-Person症候群患者における全身麻酔中の脳波についての症例をA and A practice誌で報告した。昨年度高侵襲悪性腫瘍手術における術後譫妄予測に術中のα波が有用であることを報告しているが、現在良性疾患である脊椎手術において術後せん妄予測のための脳波解析および近赤外線分光法による前向き観察研究を進めている。この他、脊椎変性疾患における術前の尿酸値が術後せん妄と関連することをJournal of Anesthesia誌で報告した。尿酸値はうつやパーキンソン病などの神経疾患においても発症抑制に関わっていることが報告されており、整形外科手術をはじめとした侵襲の小さい良性疾患の術後譫妄予測においても防御因子として働いていることが示唆された。また、同患者群で好中球リンパ球比は術後せん妄の発症と有意な関連を認めず、悪性腫瘍手術患者と異なる機序で術後せん妄を発症している可能性が示唆された。上記内容については指導した大学院生が日本麻酔科学会北海道・東北支部第13回学術集会で発表し、最優秀演題を受賞した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)
A&A Practice
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Anesthesia & Analgesia
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