患者心象変化の多面的評価尺度(Multidimensional Evaluation Scale for Patient Impression Change: Japanese version: MPIC-J)の質問票と同時に脳画像データを同時取得する被験者のリクルートは順調に進んでおり、予定被験者30人の登録は終了した。脳画像の前処理も終了したが、MPICのデータとの統計学的検討はまだ終了していない。 一方で、痛みセンターで実施する質問票の内容が変更になったため、質問票のみの群の被験者を募集中である。 並行して行っていた運動習慣と痛みに関する疫学研究の成果がScientific reports誌に掲載された。また、別の疫学研究で質問紙票による調査した内受容感覚の低さが慢性痛の発症と関連するという成果が得られ、Journal of Clinical Meidicine誌へ報告した。 本研究のデータの一部を利用し、国際学会での発表を2つ行った。米国で行われたAnesthesiologyで発表した内容は、慢性痛患者を対象とした脳画像研究の成果であり、本研究の解析にも応用できる内容である。慢性痛患者ではひだり背外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex: DLPFC)の灰白質密度が低下しており、他の研究サンプルでも同様の結果が確認できた。 もう一つは運動恐怖を評価するTampa scale for kinesiophobia (TSK)のサブスケールの妥当性を検証した研究であり、シンガポールで行われたWorld congress for anesthesiologistsで発表した。質問票の妥当性検証研究は本研究にも関連する内容であった。
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