研究課題
重症患者の救命率は年々上昇しているが、長期予後の悪化や健康関連QOLの低下により医療費の増大を招くとして問題となっている。特に敗血症などの重症病態においては、回復後早期のリハビリテーションと適切な栄養投与が相乗効果をもたらし、患者の転帰を改善させる可能性がある。重症患者に適切に栄養療法を行うために、間接熱量計を利用して重症患者の消費エネルギーを測定し解析することで、従来の100年以上前に欧米の健常人から作成されたハリスベネディクト式に代わる、重症患者一般に使用できる新しいエネルギー推定式を作成することをが本研究の目的である。 敗血症に特化して症例を検討し、新規作成した本予測式は従来の予測式よりも正確に消費エネルギーが予測できることが認められ、Kamiyama-Takemae Equqtionとして、Journal of Critical Care誌に発表した。(Takemae et al. Journal of Critical Care 2020;56:236-242.)。2023年度は、引き続き重症患者に間接熱量計を用いて消費エネルギーを測定し、症例数を積み重ねている。
3: やや遅れている
症例数を重ねているが、研究当初には利用可能であったEngstrom carestationおよびCCM Expressは、いずれも保守修了ならびに販売中止となったため、利用不可能となった。このため、現在はCOSMED社の新型間接熱量計 Q-NRG+に切り替えて研究を行っているが、その分のデータロスが発生しており、遅れを取っている。
COSMED社の新型間接熱量計 Q-NRG+に切り替えて研究を行っている。引き続き症例数を積み重ねていく。
学会がオンラインとなり旅費が少額であったこと、消耗品の消費が予定より少なかったことが挙げられる。症例数増加に伴い、消耗品は今後使用量増加を見込んでいる。
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臨床麻酔
巻: 46 ページ: 1271-1275