研究課題/領域番号 |
21K16570
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
吉田 省造 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任教授 (40339346)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 血管内皮グリコカリックス / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
健常な血管内皮細胞の内膜面には細胞表面を覆うように多糖類やタンパク質で構成されるグリコカリックスと呼ばれる層が存在し、微小循環の恒常性維持に重要な役割を果たしている。インスリン非依存型(2型)糖尿病はインスリン抵抗性とインスリン分泌不全の両者により発症する。2型糖尿病患者では罹病期間が長くなるにつれて、血糖コントロールが悪化することが知られている。この背景には進行性のインスリン分泌不全の進行が考えられるようになってきた。そこで、2型糖尿病に出現するインスリン分泌不全の進行に膵臓の血管内皮グリコカリックス障害を通した毛細血管障害が関与している可能性について2型糖尿病モデルとしてdb/dbマウスを使用し、4週齢、6週齢、9週齢、12週齢で採血を行い血糖値並びに血中インスリン濃度を測定した。dbマウスの血糖値は6週齢から12週齢にかけて上昇している。血中インスリン濃度は9週齢まで上昇後、12週齢では低下する。9週齢から12週齢まで血糖値に対して血中インスリン濃度は低い状態が続き、インスリン分泌不全といえた。膵ランゲルハンス島のサイズを計測したところ、db/dbマウスではWTマウスに比べ6週齢、9週齢ともに有意に膵臓のランゲルハンス島のサイズが増大しておりランゲルハンス島の過形成が認められた。また免疫染色でインスリンを描出し、インスリンを産出するβ細胞数を計測したところ、db/dbマウスではWTマウスに比べ6週齢、9週齢ともに有意に細胞数は増加しランゲルハンス島の過形成はβ細胞の増殖による影響を受けていると考えられた。また膵ランゲルハンス島の血管内皮の超微形態を観察したところ有窓型毛細血管の形態を示し、グリコカリックスは正常マウスでは孔構造を覆うようにグリコカリックスが存在するのに対しdb/dbマウスではグリコカリックス構造が崩壊し内皮が血管腔に露出していることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進行している
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今後の研究の推進方策 |
高血糖とグリコカリックスの機能的な関連について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の機器センター使用費ならびに動物実験施設使用費の請求が年度をまたぐため、その費用が次年度使用額として計上されている。4月に請求があり現在、残額は残っていない。
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