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2022 年度 実施状況報告書

急性肝不全の病態解明と遺伝子治療を含めた新規創薬イノベーション

研究課題

研究課題/領域番号 21K16571
研究機関名古屋大学

研究代表者

田中 卓  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50750345)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード急性肝不全 / アセトアミノフェン / コンカナバリンA / 四塩化炭素 / 肝切除再生モデル
研究実績の概要

2022年度はアセトアミノフェンモデル、四塩化炭素モデルにおける、トランスクリプトーム解析を行い、変動遺伝子群の同定およびパスウェイ解析を行った。
前年度の検討において、ConAモデルでは投与後6時間後より肝逸脱酵素であるAST及びALTの上昇を認め、概ね12時間後~24時間後をピークに肝逸脱酵素の軽減を認めた。CCl4モデルおよび、アセトアミノフェンでは12時間後より緩やかにAST・ALTの上昇をみとめ36時間~48時間後がピークであったため、肝不全の進行過程の転写因子の動向を確認するために、6時間・12時間に2ポイントでの組織を採取しトランスクリプトーム解析を行った。
トランスクリプトーム解析にあたり、おけるライブラリ調整時におけるRNAの断片化が安定化せず、従ってライブラリ長の安定化が思うように進まず、ライブラリ調整の安定化に難渋したが、最終的にプロトコル調整も確立することができた。
トランスクリプトーム解析では、モデル群において発現増加した遺伝子は150個近く認め、発現低下した遺伝子が80個ほど認めた。マクロファージ関連遺伝子に着目して発現遺伝子解析を行い、Jun、Hspd1、Sphk1などの遺伝子発現が増加を認め、Sucnr1、Ldlr遺伝子の発現低下を認めた。今後さらに複数のモデルでの発現遺伝子において共通変動遺伝子を同定し、より関連の強い遺伝子について同定を行い、次年度の研究へつなげていく土台となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度作成し確立しているモデルを再現性を確認しつつ、RNAの網羅的解析に進んだため、モデル再現自体は概ね順調に推移した。しかし、トランスクリプトーム解析時のライブラリ作成・調整に難渋し、やや遅れを生じた。したがって、当初、2022年度にチオアセトアミドモデル肝障害モデルを確立する予定であったが、計画に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

2023年度はチオアセトアミドモデル、免疫性急性肝炎モデルとして盲腸結紮穿孔+Propionibacterium acnes、モデルで2022年度と同様のモデル作成・解析を進め、共通して発言する転写因子・遺伝子を同定し、定量的 RT-PCR 解析およびその関連タンパク質の肝臓内分布の免疫組織染色を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

トランスクリプトーム解析を行うにあたり、端数分として残額が生じた。本年度予算の残額を、次年度繰り越し調達予定とした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Proteomic Analysis Reveals Changes in Tight Junctions in the Small Intestinal Epithelium of Mice Fed a High-Fat Diet2023

    • 著者名/発表者名
      Hisanori Muto, Takashi Honda, Taku Tanaka, Shinya Yokoyama, Kenta Yamamoto, Takanori Ito, Norihiro Imai, Yoji Ishizu, Keiko Maeda, Tetsuya Ishikawa, Shungo Adachi, Chikara Sato, Noriko M Tsuji, Masatoshi Ishigami, Mitsuhiro Fujishiro, Hiroki Kawashima
    • 雑誌名

      Nutrients

      巻: 15 ページ: -

    • DOI

      10.3390/nu15061473.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Distinct features of two lipid droplets types in cell nuclei from patients with liver diseases2023

    • 著者名/発表者名
      Norihiro Imai, Yuki Ohsaki, Jinglei Cheng, Jingjing Zhang, Fumitaka Mizuno, Taku Tanaka, Shinya Yokoyama, Kenta Yamamoto, Takanori Ito , Yoji Ishizu, Takashi Honda, Masatoshi Ishigami, Hiroaki Wake, Hiroki Kawashima
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-023-33977-4.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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