研究課題/領域番号 |
21K16580
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤井 智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60621381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 持続血液透析 / 急性腎傷害 |
研究実績の概要 |
本研究では重症患者の持続血液透析において、日本の透析量(少)と海外の標準的な透析量(多)のいずれが優れているかを明らかにすることを目的としている。 ランダム化比較試験の実施に先立ち、透析液量以外に、重症患者の持続血液透析と有効性(患者予後)を検証するにあたり、透析液量以外にも影響を与える可能性のある透析関連要素を系統的・網羅的に評価した。これによって、小規模~中規模のランダム化比較を実施する際にバランスを考慮すべき要素を検討することができた。 日本の持続血液透析は経験的に独自の発展を遂げてきた面が強く、透析液量以外に特徴的なのは抗凝固薬である。日本で頻用されるメシル酸ナファモスタットを用いる場合とヘパリンナトリウムを用いる場合とを比較する観察研究を行ったところ、ヘパリンナトリウムを用いた方が出血性合併症を増やすことなくフィルターライフを長く維持することができることが示唆された。(第49回日本集中治療医学会学術集会で発表) また、国外で主に使用されているクエン酸を用いた血液透析についてもメシル酸ナファモスタットを使用した場合と比較したが、クエン酸を用いた方がフィルターライフを長く維持できることが示唆された。(第49回日本集中治療医学会学術集会で発表)これらの結果から、透析液量の違いを検証する際には抗凝固薬の選択についてバランスがとれるよう検討することが望まれる。
透析液量の比較について、より臨床試験の計画の実現可能性を検証し精緻なものとするため、単施設の観察研究を予備研究として実施している。日本の透析液量で透析を受けた患者と海外の標準的な透析液量で透析を受けた患者のデータを比較し、結果の公表に向けて準備を進めている。この観察研究で得られたデータから、ランダム化比較試験の研究計画をブラッシュアップし来年度スタートする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス(デルタ株)の感染拡大に伴い、重症患者診療の負担増加・対面会議の制限のため、大学病院集中治療室での介入試験の準備に制約があった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度末で重症コロナ診療が一定の落ち着きを見せており、2022年度に臨床研究法に基づく認定臨床研究審査委員会の審査を受け、パイロット試験を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う重症患者診療の逼迫により、研究進行に支障が出たため、データベース契約等の予定されていたマイルストーンが次年度に先送りとなったため、次年度使用額が生じた。
次年度使用額は予定されていた使用用途の変更はなく、次年度に研究遂行のために使用する計画である。
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