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2022 年度 実施状況報告書

急性腎障害に対する持続血液透析の国際標準量と日本標準量の検証:ランダム化比較試験

研究課題

研究課題/領域番号 21K16580
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

藤井 智子  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60621381)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード持続血液透析 / 急性腎障害
研究実績の概要

本研究では、重症患者の持続的腎代替療法において、日本の標準的な透析量と国際的に標準的な透析量がおよそ2倍の違いがあることについて、いずれが優れているかを明らかにすることを目的としている。
前年度に実施した研究によって、透析液量以外にも持続血液透析の実施に影響を与える可能性のある透析関連要素として抗凝固薬の選択も透析効率に大きく影響することがわかった。この結果も含め、持続的腎代替療法に含まれる修飾可能な要素の多さを鑑み、本研究で透析量の違いが患者予後に与える影響を正しく評価するには、観察研究ではなくランダム化比較試験の実施が重要であることが確認できた。
今年度はランダム化比較試験の実施に先立ち、予備研究として透析量に関する観察研究を実施した。日本の透析量での持続血液透析のみを受けた患者と、国際標準量での持続血液透析を受けた患者のデータを比較した。酸塩基平衡の変化スピードの違い・臨床的な転帰の違いを観察し、これらの結果に基づき、ランダム化比較試験の研究計画を精緻なものに修正することができた。
このランダム化比較試験は多施設共同試験としての準備が進められており、国際学会等の会議で国外の専門家からも実施に際しての重要な意見を集めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度までは新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、重症患者診療の負担増加や対面会議の制限のために臨床試験の準備に制約があった。しかし、今年度に入り、医療の現場への影響が改善し、感染対策のための規制が緩和されたこともあり、臨床試験の計画や会議等が進んだ。昨年度予定したパイロット試験は上記の状況を鑑み、実現可能性が高く詳細なデータが得られる観察研究に切り替え、その結果も得られたため、研究計画は精緻なものとなり、開始の準備が整った。

今後の研究の推進方策

多施設共同ランダム化比較試験の実施計画が定まったため、実施段階に移る。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う重症患者診療の逼迫により、研究進行に支障が生じ、昨年度よりずれこんできた影響が続いているため。

次年度使用額は予定されていた使用用途の変更はなく、次年度に研究遂行のために使用する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Unfractionated heparin versus nafamostat mesylate for anticoagulation during continuous kidney replacement therapy: an observational study2023

    • 著者名/発表者名
      Kameda Shinya、Fujii Tomoko、Ikeda Junpei、Kageyama Akira、Takagi Toshishige、Miyayama Naoki、Asano Kengo、Endo Arata、Uezono Shoichi
    • 雑誌名

      BMC Nephrology

      巻: 24 ページ: 12

    • DOI

      10.1186/s12882-023-03060-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 持続的腎代替療法に用いるメシル酸ナファモスタットの至適投与量の探索:2施設共同後ろ向き観察研究2023

    • 著者名/発表者名
      前田隼、前田明倫、高橋和成、井上悠太郎、影山明、亀田慎也、土井研人、藤井智子
    • 学会等名
      第50回 日本集中治療医学会学術集会
  • [学会発表] Renal replacement therapy: How to prolong filter life2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Fujii
    • 学会等名
      42nd ISICEM
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Association of low-intensity continuous renal replacement therapy and clinical outcomes2022

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Yagi, Akira Kageyama, Junpei Ikeda, Tomoko Fujii
    • 学会等名
      第49回 日本集中治療医学会学術集会・the 22nd Joint Scientific Congress of KSCCM and JSICM

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公開日: 2023-12-25  

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