• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

敗血症関連脳障害に対する早期運動療法の可能性ー海馬シナプス応答解析を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 21K16583
研究機関北海道大学

研究代表者

干野 晃嗣  北海道大学, 大学病院, 講師 (40802434)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード敗血症関連脳症 / 敗血症 / 海馬 / シナプス可塑性
研究実績の概要

令和4年度の実験では、盲腸結紮穿孔(cecal ligation and puncture: CLP)により敗血症を誘導した群(CLP群)と偽手術を施したsham群のそれぞれにおいて、手術翌日よりトレッドミルによる強制運動を行った群(exercise群)と行わない群(sedentary群)に分け、海馬シナプス可塑性の変化について検討したところ、CLP+exercise群では敗血症により低下していたシナプス長期増強(LTP)が回復していることが認められた。令和3年度の実験において、CLP群では海馬BDNFが低下しており、運動により増加することが示されていたため、機序の検討としてBDNFの受容体拮抗薬である、ANA-12を生体投与することで、上記の回復効果が失われるかを検討した。CLP+exercise+ANA-12群、CLP+exercise+vehicle群、CLP+sedentary+ANA-12群の3群において同様に海馬LTPを測定したところ、CLP+exercise+ANA-12群ではCLP+exercise+vehicle群と比較して有意に海馬LTPが低下していることが示され、CLP+exercise+ANA-12群とCLP+sedentary+ANA-12群の間に有意差はなかった。したがって、令和3-5年度の一連の実験において、運動による敗血症マウス海馬LTPの改善にTrk-B受容体を介した経路が関与していることが示された。
当初、運動強度を変化させて同様にLTPを測定する実験を令和5年度に予定していたが、年度途中で実験台の調整が必要となる期間が生じたため完了できず、補助期間延長申請を行い令和6年度に実験を行うこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度に実験台の調整期間が必要となったため補助期間延長申請を行ったが、実験自体は概ね順調に進行している。
骨子となる実験は前年度で完了したため、令和6年度は実験結果の補強実験と成果報告を行う。

今後の研究の推進方策

令和6年度は強制運動の強度を変化させた実験を行う。
また、成果報告として学会発表や論文発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初年度内に予定していた実験が、実験台の調整が必要となったために行えなかったことにより、次年度使用額が生じた。
次年度は、残りの実験の遂行と学会発表、論文発表のために研究費を使用する予定である。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi