研究課題/領域番号 |
21K16587
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
加藤 隆之 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80800333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敗血症 / 血管石灰化 / 老化 |
研究実績の概要 |
敗血症は集中治療を必要とする生命予後の悪い病態であるが、近年敗血症後の生存者においても長期的な認知機能障害、身体障害を引き起こす集中治療室後症候群と呼ばれる病態が大きな問題となっている。申請者は今までの研究にて、この現象が敗血症によって引き起こされる「老化様現象」であるとの仮説を考え、血管の老化様現象である血管石灰化が敗血症前後の短期間で急速に進行することを明らかにとした。しかし、大血管以外の臓器においても老化様現象を進行させるかは未だ不明である。 本申請においては、敗血症により臓器や遺伝子発現において老化様現象が進行していることを解明することを目的としており、1)人において敗血症での老化関連遺伝子の発現を調査すること。2)敗血症モデルマウスにおいて老化関連遺伝子発現の調査、老化細胞除去が予後へ与える影響、抗老化細胞治療の効果を調査することを予定していた。しかしながら、令和3年度においては新型コロナウイルスの流行により、当初予定していた昨年春までの学位取得に遅れが生じたため、研究費の執行が昨年の年度末と遅れが生じてしまった。令和4年度は未だ新型コロナウイルスの流行が収束しておらず、ヒトにおける研究は開始出来ていない。そのため、敗血症モデルマウスにおける老化関連遺伝子発現の調査を行った。敗血症モデルマウスの各臓器における老化関連遺伝子の発現を調査したところ、腎臓において老化関連遺伝子とされるp21, p51mRNAが対照群に比べて有意に上昇していた。また同じ傾向は胸腺においても認められた。今後も引き続き調査を進めて行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度、令和4年度は新型コロナウイルスの流行のため、研究の遂行に著しい障害が生じたため、予定していた調査が出来ず研究の進捗状況は遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの流行が収束しはじめており、令和5年度はヒトにおける研究も可能となる見込みである。今後動物実験に加え、ヒトにおける研究を開始していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は新型コロナウイルスの流行に伴い、研究の遂行に著しい障害が生じ、予定していた調査が出来ず研究の進捗が遅れてしまったため。
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