研究課題
本研究は、人工呼吸管理中の患者において自発呼吸中の換気動態を四次元呼吸ダイナミックCT (4D-CT)を用いて解析した、斬新な臨床研究である。本研究では、まず4D-CTの精度検証を証明するために、人工呼吸器の換気情報とelectrical impedance tomography(EIT)のインピーダンス情報を用いて位相検証を行った。結果、4D-CTによる位相精度は非常に高く、空間解像度も高く保たれることが判明した。これにより、4D-CTは人工呼吸中の換気動態を正確に評価できる検査であることが確認された。さらに、肺局所における4D-CTとEITの位相精度の検証を行ったところ、いずれも非常に高い精度が保たれることが判明した。同研究結果は、現在国際学術誌に投稿中である。次に、4D-CTを自発呼吸中に撮影してみると、自発呼吸により胸膜や横隔膜が様々な異常所見を呈することを発見した。通常、自発呼吸により肺は膨らみ横隔膜が下方に収縮するが、逆に奇異性に運動する所見を認めた。この現象は今まで人工呼吸中の患者では注目されていなかった所見であり、集中治療領域で高く注目されるようになった。さらに、今まではEITでしか観察できなかったpendelluft現象を4D-CTで観察することが可能となった。これにより、EITの低い空間解像度ではわからなかった解剖学的変化をCTの特徴である高い空間解像度で解析可能となったことから、pendelluft現象をはじめとする自発呼吸関連肺傷害の病態解析に大きく寄与することが期待される。これらの研究結果は、様々な学会で注目されており、シンポジウムや教育セッションをはじめとする招待講演として発表を行い、うち1回は優秀セッションに選出された。本研究により、自発呼吸関連肺傷害の病態解明が可能となり、得られた解析結果から新たな肺保護換気の提案を行うことが可能となった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)
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