研究課題/領域番号 |
21K16605
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中野 芙美 三重大学, 医学部附属病院, 診療等従事者 (50850731)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | くも膜下出血 / 早期脳損傷 / マウスモデル |
研究実績の概要 |
オスC57BL/6マウスを使用し血管内穿孔くも膜下出血(SAH)モデルまたはshamモデルを作成し研究を行った。 すでに以前の研究にて神経所見改善効果のある上皮成長因子受容体阻害剤濃度が得られていたため、その濃度でモデル作成30分後に脳室内に上皮成長因子受容体阻害剤を投与した。24時間後に神経所見を評価し屠殺、SAH重症度を評価した。取り出した脳のwet weight、dry weightを測定し脳浮腫の程度を評価した。また灌流固定したのち脳を取り出し、terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated d-UTP nick-end labeling(TUNEL)を行い、脳皮質における神経細胞のアポトーシスを評価した。次に上記よりも濃い濃度の上皮成長因子受容体阻害剤を投与し、更なる治療効果が得られるか、あるいは毒性を示すかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿ってSAH後の早期脳損傷について検討した。研究結果も仮説通り、上皮成長因子受容体阻害剤投与により神経所見が改善、TUNEL陽性神経細胞数の減少、脳浮腫の改善効果を認めていることからもおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も研究計画に従い、SAH後の上皮成長因子受容体活性化に続くシグナル伝達経路の検討を行う予定である。研究を計画通り推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備実験のサンプルを使用することにより、屠殺するマウスの数を最小限に抑えることができた。また新型コロナウイルス感染症の流行により、国際学会の開催中止、国内学会のウェブ開催への変更が起こり旅費が当初の計画より少なかった。これらの理由により次年度使用額が生じた。 次年度以降の実験ではウエスタンブロット、免疫染色を行う予定であり、関与が予想される多数の分子に対応した抗体費、発現量の少ない分子を検出するための増感試薬の購入費に余剰分を充て研究成果の完成度を高めたいと考えている。また本研究成果の学会発表に関わる費用として使用したいと考えている。
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