研究課題/領域番号 |
21K16612
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
末廣 諭 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (50775012)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 5-aminolevulinic acid / photodynamic diagnosis / Enhance |
研究実績の概要 |
悪性グリオーマに対する超音波力学療法をより効果的に行う為に、超音波増感剤となる5-aminolevulinic acid(5-ALA)の代謝産物であるプロトポルフィリンⅨ(PpⅨ)の蛍光強度を上昇することで、抗腫瘍効果の上乗せを狙い研究を開始し、当初はPpⅨの排出に関して新たに同定されたDynamin2が、既存の薬剤Sertraline(ジェイゾロフト)で阻害することによって蛍光強度を増強出来ることが既存の報告で明らかとなっており、ジェイゾロフトでの検討や、同じくPpⅨの排出に関連するABCG2阻害薬での検討を行っていたが、PpⅨの蛍光増強の為には既存薬のベルベリンがこれまで検討したものより、より効果的に作用することが明らかとなった。ベルベリンと5-ALAを使用することで、グリオーマcell line(U251 and two huma Glioma Stem-like Cell (hGSLCs))とmouse Glioma stem cell (mGSC)において蛍光強度が増強されることを、フローサイトメトリー(励起光:405nm、フィルター695nm/BP30)行い、Flowjo (Becton Dickinson)にて解析し確認した。またマウスに各種細胞を移植したグリオーママウスモデル(GBM model mouse)においては、5-ALAとベルベリンを腹腔内投与することで、実際の形成された腫瘍の蛍光強度が増加することを肉眼にて確認するとともに、蛍光顕微鏡(BZ-710 (Keyence). Excitation 395/BP25nm, emission 632/BP60nm)でも確認した。またその機序に関連する蛋白を、ウェスタンブロットで同定し、光線力学診断の精度向上の可能性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の為に研究室が閉鎖された期間があり、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
既存薬ベルベリンを使用することで、グリオーマcell line、グリオーママウスモデルにおいて、5-ALAの蛍光強度を増加することを確認したので、今後は超音波力学療法の効果の増強に関して検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で購入予定の大型機器が購入が困難となったことと、現在行っている実験内容は既に入手していた物品を使用して行った為。
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