研究実績の概要 |
サル主幹動脈閉塞モデルの作成;カニクイザルを用い、全身麻酔下に右大腿動脈に3Frガイディングシース留置。内頚動脈にScepter等のバルーン付きカテーテルを中大脳動脈 M1 起始部に誘導する。バルーンにて数時間閉塞しMRIで梗塞巣を評価する。さらに解除した後、神経学的評価とMRIによる画像評価、組織評価を実施している。Scepterはdouble lumenであり閉塞解除前より、内腔から薬剤を投与することが可能である。レドックスナノ粒子を閉塞中の脳へ直接投与する。閉塞後からの時間的MRI画像変化を撮像し、レドックスナノ粒子投与の有無で比較し有効性を評価した。 ① 脳梗塞Day7までの評価を目的として、レドックスナノ粒子投与4頭、コントロール生食投与4頭のモデル作成を行った。マイクロカテーテルで一過性脳虚血再灌流障害モデルを作成し、大脳皮質と基底核に脳梗塞が生じることが確認できて、サル脳梗塞モデルが完成した。翌日以降にMRIを撮影。DWI、FLAIR,T2のシークエンスを撮像し、脳梗塞巣を確認し、モデルを確立している。MRIで経時的に脳梗塞と脳浮腫のサイズと変化を確認できた。アップルテスト、行動テストにより神経症状の解析。モデルは、Day7でsacrificeした後に脳を摘出。脳梗塞病巣、対側の正常脳、各種臓器におけるレドックスナノ粒子の分布を評価するために組織の凍結保存を行った。凍結切片を作成して、各種蛍光免疫染色を実施し、投与したレドナノックス粒子の虚血脳への分布について検討を行った。免疫染色によりレドックスナノ粒子の神経細胞、ミクログリア(iba1陽性)、グリア細胞への分布を確認した。 ② 脳梗塞Day28までの長期評価を目的として 、レドナノックス投与群3頭、コントロール群6頭を実施した。同様のMRIの評価、神経学的評価に加え、組織学的評価を実施している。投与するレドナノックスは蛍光標識しており、投与した脳内での分布の評価も合わせて実施した。
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