研究課題
前年度までに、併用治療薬剤A(Glioblastoma stem cell: GSC target)と薬剤B(Differentiated glioblastoma cell: DGC target)を併用治療に用いる薬剤として決定し、併用効果の確認を行った。両薬剤の併用がPI3K-AKT-mTOR pathwayやCell cycleにかかわるpathwayを相乗的に抑制することを、ヒト由来膠芽腫細胞を使用した培養細胞レベルで確認した。またこれらの変化が生体内でも生じうることをヌードマウスを使用した動物実験レベルで確認した。動物実験では、マウスの脳内にヒト由来膠芽腫細胞を移植することで担脳腫瘍マウスモデルを作成し、薬剤を経口投与し、マウスの脳組織、腫瘍組織に及ぼす影響を評価した。その結果、PI3K-Akt-mTOR pathway抑制に伴う腫瘍浸潤範囲の縮小とCell cycle抑制に伴う細胞分裂が低下することが免疫染色により示された。今年度は、これまでの検証に用いた細胞株とは別のヒト由来膠芽腫幹細胞株でも同様の変化が生じることを確認し、我々の検討した薬剤併用療法が、膠芽腫に広く適応可能かどうかを検討した。培養細胞レベルでは、前年度までの結果と同様に、薬剤Aと薬剤Bの併用は相乗的な効果を示すことが示された。またこれは細胞周期の停止、Apoptosisの誘導によるものであると考えられた。これらの結果から、我々が提唱する薬剤の併用は特定の膠芽腫細胞株のみならず、膠芽腫に広く適応可能である可能性が示されたと考えている。今後は担脳腫瘍マウスモデルによる検証も検討している。
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