最も予後不良なGroup3/4髄芽腫に対する標的治療はない。予後不良な因子としてMYC増幅が報告されているがMYCを直接標的とした治療もない。本研究では、DIF-1が髄芽腫細胞のMYC転写を抑制し、かつMYC増幅細胞の細胞増殖を抑制することを示した。ただし、DIF-1による細胞増殖抑制は単純なMyc発現抑制によるものではないことが明らかとなった。 本研究の結果、DIF-1が髄芽腫治療候補になりうる可能性を示したことやDIF-1にMYC自身の転写を抑制する効果があることが示されたため他癌種においてもMYCを標的とする新たな治療候補としての有効性も提示できたことに意義がある。
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