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2022 年度 実施状況報告書

ステントの内皮化を可視化する、特異的ペプチドを用いたイメージング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K16642
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

児玉 智信  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70449932)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードステント / イメージング技術 / ペプチド / ファージディスプレイ
研究実績の概要

脳外科領域をはじめとして循環器領域、血管外科領域等に近年、広くカテーテル治療が普及している.いずれの領域もステントやコイルなどの金属製医療器具を用いて治療しており、その症例数は年間500万件にも及ぶ.しかしながら、コイルやステントは金属製であるために血液適合性に乏しく、留置後に血栓形成を引き起こす.そのため、患者は抗血小板薬を服用する必要があるが、常に出血性合併症を引き起こす可能性がある.特に2剤以上の抗血小板薬の内服は、2~3%の重篤な出血性合併症を引き起こしている.また、服用中は、他の手術を受けることが難しいことが問題となっている.抗血小板薬の服用期間については、科学的なデータは乏しく、医師の経験に基づいて決定されているのが現状である.留置したステントやコイル表面を血管内皮細胞が十分に被覆していれば、金属部分へ血液が露出されていないために、抗血小板薬の服用を止めることができる.しかしながら、どれだけステントが内皮細胞で被覆されているのかを知る手段はなく、あくまでも経験に基づいた医師の判断でそのタイミングが決められている.我々は留置したステントやコイルの金属部分を検出する特異的ペプチドを開発した.ステントやコイルは、血管内へ留置後、徐々に血管内皮細胞で被覆されていく.そのためステントやコイルの内皮化度を可視化することができ、科学的根拠に基づいて患者の抗血小板薬の服用期間を決定する事が出来る.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ratを用いたvivo実験を行うとともに、取得データの解析を順次実施している

今後の研究の推進方策

引き続き開発した短鎖ペプチド・SPIO複合体での動物実験を行う.術前2週間前より抗血小板薬プラビックスを内服させたWistarラット(Male,12w 400~
500g)を用いて、前頚部正中切開にて左総頚動脈を露出させる.直視下にマイクロカテーテルを挿入し腹部大動脈にWingspan stent2.5-20mmを留置.4週間飼育後に
麻酔下にMRI撮像を行う.その後sacrificeし病理チェックを行う.病理学的に内皮化した部分と撮像したMRI画像を比較検証していく.
得られたMRI画像とその病理画像からより効率的な内皮化測定システム構築を目指す.ヒトの目に頼らない、より正確な内皮化の判定方法としてDeep learning
を用いた異常検知を行う.GANを使った手法やAutoEncoder, Variational Autoencoderを使った手法など多くあるが、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を
使って、損失関数を工夫することにより異常検知することとしているが、適宜関数を変更検証していく.

次年度使用額が生じた理由

合成ペプチドの含有量を増やしMRIによる検出効率を高めている。そのため一部合成を変更したため。

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公開日: 2023-12-25  

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