今後の研究の推進方策 |
1)脳梗塞後のペリサイトでの炎症反応が生じる時期や領域、頻度などを明らかにするために、引き続き野生型マウスを用いて、脳梗塞後の超急性期から急性期にかけて(1, 2, 4, 6, 12, 24時間後)、ペリサイトでp65の核移行の頻度を調べるとともに、他の細胞種との炎症反応時期やその頻度の違いを明らかにする。 2)脳梗塞後の超急性期において、どの細胞からサイトカイン群が発現し始めるのかを調べるために、引き続きRNAスコープ法と免疫染色法の条件検討を実施する。さらに、抗体染色で検出が可能なサイトカイン群に関しては、新たに免疫染色法で解析を進める。 3)ペリサイト選択的NF-κB経路遮断マウスのノックダウン効率の計測方法を樹立後、その系統を用いてMCAO後の血管不安定化に対する影響、免疫系細胞の浸潤に対する影響、 障害領域に対する影響といった観点から、ペリサイトでの炎症反応がもつ病理学的意義を調べる。 4)次にペリサイトに発現する炎症惹起因子を同定するために、まず低酸素下でLPSまたは DAMPsであるHigh Mobility Group Box 1(HMGB1)刺激により(脳梗塞時の神経損傷を模倣)、 ペリサイトで発現が誘導されるNF-κB経路依存的な分子を同定する。 5)ペリサイト 特異的に蛍光標識可能なレポーターマウスを用いて、ペリサイトをFACSにより回収し、脳梗塞後の遺伝子発現変化を解析することで、ペリサイト に発現し炎症反応を促進させる候補分子を探索する。
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