研究課題/領域番号 |
21K16660
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
黒田 真由美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (80880955)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 理学療法 / リハビリテーション / 重症心身障害児 / 座位能力 / ロボット / ロボットスーツHAL / 小児 / 脳性麻痺 |
研究実績の概要 |
本研究は、身体機能に重度の障害を有した小児の座位保持能力を改善させる理学療法介入法の開発を目指す。初年度は、座位保持能力の評価手法を検討した。自力での座位保持が困難、かつ知的障害を併発する重症心身障害児では、標準的な座位保持能力の評価手法が確立されていない。そこで、加速度計や重心動揺計、耐圧分布測定シートを用い、重症心身障害児の座位保持能力を測定を試みた。測定条件や個体差によるばらつきが大きいため、引き続き評価手法の検討を継続する。また、日常生活における着替え、食事、移乗などのケアのしやすさについて、家族に調査するため、既存のリハビリテーションのための子どもの能力低下評価法(Pediatric Evaluation of Disability Inventory;PEDI)や生活機能評価表(Life Inventory to Functional Evaluation;LIFE)を重症心身障害児に対し経年的に継続調査した過去データを分析し、座位保持能力との関連を検討した。 本研究にて使用するロボットスーツHALは能動的な随意運動で生じた生体信号をトリガーとして工学的に関節動作を補助するロボットリハビリテーション機器である。すでに産業・介護現場にて導入が開始されている。今年度は、ロボットスーツHAL腰タイプ介護・自立支援用(cyberdyne社)を重症心身障害児の随意運動を補助する機器として、2名の学齢期~青年期の小児疾患患者に装着し座位トレーニングを実施した。引き続き、安全性や実現可能性など基礎的検討を継続していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により、本学付属病院入院病棟への大学教員の出入りや外来患者の出入りが制限されたた時期があり、小児患者を対象とした測定や介入が当初の予定より進まなかった。 また、研究代表者の妊娠,出産,育児に伴い,下半期は研究を中断した。研究期間の延長申請を行い受理された。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、重症心身障害児に対する座位能力の評価手法の検討を継続する。加えて、次年度から観察研究を行っている重症心身障害児の症例数を増やしていく。さらに、HAL腰タイプを装着したトレーニングの安全性・実現可能性についても検討していく。特に、座位での動作課題について、患者の運動機能障害の程度に応じた運動課題となるように方法を吟味していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた測定備品について、大学所有の物を使用する事ができたため。研究代表者の妊娠,産前産後休暇,育児休暇取得のため,研究を中断する期間があったため。次年度以降、ロボットスーツHALのレンタル費用等に使用していく。
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