研究課題/領域番号 |
21K16668
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
大園 宏城 久留米大学, 医学部, 助教 (50885358)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 変形性膝関節症 / JAK阻害薬 |
研究実績の概要 |
変形性膝関節症は本邦において、50歳以上で痛みを伴う患者だけでも820万人と関節リウ マチの10倍もの患者が存在する。にもかかわらず関節リウマチの様に進行を抑制する治療薬は未だ存在しない。治療薬を見出すことができれば、変形性膝関節症治療のパラダイムチェンジを起こし、現在年間9万件にもおよぶ人口膝関節置換術を大幅に減らすことが期待できる。 我々はJAK阻害剤の一つであるPeficitinibが抗炎症作用を有すると同時に、軟骨細胞の細胞 外基質であるコラーゲン 2やアグリカンの遺伝子発現を強く高めることを発見した。これまで、これらの2つの機序を同時に併せ持つ薬物は発見されておらず、変形性膝関節症の進行 抑制を可能とする、世界で初めての治療薬として大いに期待できる。本研究ではマウスの変 形性膝関節モデルに対し、Peficitinibの治療効果を検証する。In vitro検証においては軟骨細胞にPeficitinibを投与 し細胞外基質の遺伝子発現を約2倍に高めることを確認している。さらに滑膜由来間葉系幹細胞の 軟骨分化試験を行ったところ、 コラーゲンⅡの遺伝子発現はコントロールの 15 倍にも上り、軟骨分化培地によく用いられる TGFβ3より強い軟骨分化促進作用があることが判明した。In vivo実験においてはDestabilization of the Medial Meniscus (DMM)モデルという、 最も広く用いられている変形性膝関節モデルを使用。成熟 C57BL/6J マウスに対し、右膝に DMM 手術・左膝に Sham 手術を行い、術後Peficitinib投与し、コントロール群には溶剤のみを投与し、現在組織学的評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在In vivo実験の組織処理を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
週の決まった時間に実験用の時間を設けるよう工夫する。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗が遅れており、In vivo実験の組織処理が終了していない。また、In vitro実験の追加実験も行う予定である。
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