研究課題
大学病院と関連病院の計4施設で、変形性膝関節症の術前後の歩行動態を加速度計と3次元動作解析(2施設)で解析し、年間約150例の歩行データを蓄積できるシステムを構築した。膝内外側荷重比の代表的な指標としてKAM(Knee adduction moment)がある。HTO後にKAMが減少することは明らかになっている。しかし、HTO後のKAMと下肢アライメントの相関は高くないことから、KAMを指標とした下肢アライメントの決定は困難であった。KAMを考慮した新しいレントゲン指標Pelvis-knee-ankleangle (PKA)を考案し、解析の結果PKAは従来の下肢アライメントよりもHTO前後のKAMと高い正の相関を示すことが明らかになった。この結果は術後PKAが大きいほどKAMが大きい、つまり内側荷重減少効果が小さいことを意味するため、術後PKA高値が予想されるような症例、つまり骨盤幅が広い症例では矯正角度を通常よりも大きくし、PKA高値を回避すべきと考えられた。また、同時に術後PKAは術後の患者立脚型評価(Knee society score 2011)とも相関することを明らかにした。外側閉鎖式HTOでは骨密度分布は外側に偏位したが、内側開大式HTOでは内側に偏位した。内反膝では内反型変形性足関節症を呈することが多く、そのような症例に、内側開大式HTOを行うと、足関節内側の応力が増大し、症状が悪化または顕在化する可能性が示唆された。データベースに蓄積したCTデータから、顆間隆起外側壁の骨密分布を調べたところ、高骨密度領域は、過去の解剖学的ACL付着部に近似した分布をしており、その形態と脛骨後傾に関連があることを報告した。
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