研究課題
8-10 週齢 C57BL/6 雄マウスのヒゲ毛根を、ヒトの指先と相同の標本として用いた。ヒゲ毛根に投射する有髄神経に Pressure-clamped single-fiber recording を適用し、rapidly adapting(RA)、slowly adapting type 1(SA1)、slowly adapting type 2(SA2)機械受容器に分類した。RA機械受容器は、電位依存性カリウムチャネル遮断薬であるTEA、4-APには反応せず、Baにより有意に発火数が増加し、SA1機械受容器はAP、Baにより有意な変化を示し、SA2機械受容器はTEA、4-AP、Baすべてに有意な反応を示した。この結果から、各種触覚機械受容器が持つカリウムチャネルのサブタイプを絞り込むために、より選択的なカリウムチャネル阻害剤を用いて研究を継続した。Kv1.1阻害薬であるDendrotoxin-Kによる、RA、SA1、SA2機械受容器の発火数の有意な変化はなかった。 Kv7阻害薬であるLinopirdineでは、RA機械受容器の発火数に有意な変化はなかったが、SA1、SA2機械受容器では発火数が有意に減少し、Kv7チャネルのSA応答への関与が示唆された。 SA2機械受容器の発火数は、Kv3.4阻害薬であるBDS-Iでは有意な変化はなかった。電位依存性カリウムチャネル以外では、SA1機械受容器が、カルシウム活性化カリウムチャネルの阻害薬であるIberiotoxinにより、発火数が有意に増加した。Two-pore domain カリウムチャネルの阻害薬であるRuthenium redやNorfluoxetine、活性化薬であるLysophosohatydilchorineによる各種機械受容器の発火数の有意な変化はなかった。
すべて 2023
すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)