今後の研究の推進方策 |
靭帯骨化自然発症モデルであるTWY マウス120匹から、灰白質、白質への脊髄圧迫が同程度のマウスを4群、40匹選択することが可能になった。今後、これらのマウスの脊髄の組織切片を作成し、免疫染色によって、apoptosis, ferroptosis, necroptosis, proptosisの4つの制御された細胞死の有無と圧迫程度との関連を検討する。また、低酸素プローブとBrduに対する染色を実施し、脊髄障害の早期に、低酸素状態に陥る細胞種、増殖する細胞種を同定する。以上により、脊柱靭帯骨化による脊髄障害の早期病態の解明が進展することが期待できる。また、機能評価も可能である脊柱靭帯骨化による脊髄障害モデル開発のため、ラットの第5頚椎椎弓下にBone Morphogenic Protein (BMP)を含浸させたコラーゲンスポンジを留置し、骨吸収抑制薬剤を併用し、異所性骨化による脊髄圧迫と脊髄障害を発症させるモデルの確立に注力する。対照群として、BMP非含有コラーゲンシート移植群を設定し、移植後、8週間に渡って、詳細なトレッドミル型歩行解析器械を使用した歩行解析、感覚機能(触刺激、熱刺激)、各種筋肉重量の定量によって、脊髄障害の程度を定量し、臨床像との相関を検討する。
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