研究課題
多血小板血漿(PRP)上清(PRPr)の作成:家兎(NZWR)16週の雌を用いて作成を行った。3匹の家兎を使用した予備実験にて最適な採血方法、PRPr作成方法を検討し、25mlの血液を採取し、純度の高いPRP(13.5倍)を作製し、PRPrを得た。末梢血赤血球4.7x106/ul、白血球2.5x103/ul、血小板233x103/ulに対して作成したPRPは赤血球0.00x106/ul、白血球0.00x103/ul、血小板3157x103/ulであった。初回手術(chondroitinase ABC: CABCの椎間板内注入)にてNew Zealand White Rabbit16週の雌を11匹使用した。全身麻酔下に手術を行い、透視下にレベルを確認し、L2/3、L4/5にCABC(1.25単位/ml)を10ul注入した。二回目手術(PRPrもしくは生理食塩水:生食の椎間板内注入)は初回手術より4週間後に行い、L2/3、L4/5にPRPrもしくは生食をランダムに注入した。16週で屠殺した。X線評価による椎間板高の推移:CABC注入によりL3/4(コントロール)および、同レベルで注射前と比べて有意に椎間板高は減少した(平均55%)。生食群と、PRPr群両方で椎間板高は継続的に回復したが、PRPr群は生食群より有意に改善した。16週の時点で生食群は76%、PRPr群は95%まで回復した。MRI評価:modified pfirrmann分類ではPRPr群(2.2 ± 0.4)は生食群(2.9 ± 0.3)より有意に良好であった。組織学的評価:組織変性度評価ではPRPr群は生食群より有意に良好であり、組織修復度を含めた総合評価においてもPRPr群は生食群より有意に良好であった。X線評価とMRI評価および、組織学的評価とMRI評価は有意に相関した。
2: おおむね順調に進展している
PRP作成の手順(採決手法および、遠心分離によるPRPの抽出)は複数回の試行により最適なPRPr作成が可能となった。続く動物実験においても、PRPrのRegenerative effectが椎間板高、MRIの輝度および組織学的にも確認された。これらのことから動物実験は順調に進行し、仮説を裏付けるデータが得られたため、概ね順調に推移しているといえる。今後は研究成果を発表し、論文化していく。
仮説を裏付けるデータが得られたため、今後は学会発表および国際ジャーナルへの論文作成を進める。
初年度がコロナ禍のため学会がオンライン開催され、旅費費用が当初の計画より旅費が少なく済んだため。2023年度は学会発表および論文作成に費用を使用する予定である。
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