超高齢化社会において変形性膝関節症の患者数は約2530万人を数え、かつ増加傾向である。既存のNSAIDsの内服・外用や、ヒアルロン酸関節内投与は一定の鎮痛効果が認められるが病状の進行抑制には効果が不十分であり、ステロイド関節内投与は軟骨壊死の懸念があることより新規治療薬の開発が待望されている。転写因子Nuclear factor kappa B(NF-κB)は変形性関節症においては疼痛や病状を悪化させる。本研究は新規開発されたNF-κB阻害ペプチド:MTI-Ⅱペプチドの効果を検討した。MTI-Ⅱペプチドは軟骨分解酵素の発現を抑制しており、変形性関節症予防の新規治療法として期待される。
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