変形性関節症(OA)の病態を解明するために、罹患関節から採取した軟骨組織に平地歩行の際に軟骨に加わるのに近い荷重を繰り返し加えて、遊離するタンパクを抗体アレイ、定量的プロテオーム解析、およびルミネックスを用いた定量解析により調べた。その結果、OA軟骨からは荷重によってさまざまなタンパクが対照軟骨に比して多量に遊離することが明らかになった。遊離したタンパクにはalarminあるいはDAMPsに属する複数のタンパクのほか、血管新生作用を有するVEGF-A、aFGF、bFGF、TGF-β、疼痛を強く誘発するNGFなどが含まれていた。本研究の結果はOAの病態を考えるうえで重要と考えられた。
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