• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

膀胱癌浸潤転移に関わる新規ヒアルロニダーゼTMEM2の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16724
研究機関弘前大学

研究代表者

米山 美穂子  弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (50791696)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードTMEM2 / ヒアルロニダーゼ / 膀胱癌 / ヒアルロン酸代謝
研究実績の概要

細胞外マトリックスの主要成分であるヒアルロン酸(HA)は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が 交互に結合した巨大な高分子化合物である。正常組織 におけるHAは生合成と分解のバランスにより一 定量に保持されるが、癌では、HAは異常に蓄積、または分子サイズの低下が起こり、癌細胞の接着、遊走、増 殖、浸潤および癌周囲の微小血管新生を促進する。近年、高分子HAは 癌抑制性シグナル経路を活性化する一方で、低分子HAは癌抑制性シグナルの不活性化を介 して癌の発症・進展を促すことが明らかにされ (Ooki T et al. Dev Cell, 2019)、癌と癌細胞周囲のHAの相互作用は、HA分子サイズの違いで、癌抑制的にも促 進的にも作用しうることが示唆され、HAの分解酵素の果たす役割は非常に重要である。TMEM2は細胞膜上に発現し、HA分解酵素として発見され、TMEM2高発現と癌 の悪性度との関連性が報告されている。本研究の目的はTMEM2が癌の進展過程のどのタイミングで、どのような生物活性を発揮するのかを解明することである。本研究で、膀胱癌組織のTMEM2発現は、膀胱癌組織標本を用いた検証で、pTaからpT3へと癌が進行するのに伴い、有意に減少することを明らかにした。またTMEM2発現は、上皮マーカーの一つであるE-cadherinの発現と同じ発現パターンを示すことを明らかにした。さらに、in vitro系にてEpithelial- Mesenchymal Transformation(EMT)の誘導によって、TMEM2発現が減少し、さらに細胞膜上に発現しないことを明らかにした。これらの研究成果を論文投稿し、報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究で、in vitro系でEMT誘導によって、TMEM2発現が減少することが明らかとなり、まずその内容について論文にまとめ投稿したため、論文投稿に必要な追加実験及び、予備実験等を実施したため、当初計画していた実験に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

今後の方策として、EMT誘導によってTMEM2発現が減少するメカニズム及び、TMEM2と相互作用する分子を検索する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] TMEM2 expression is downregulated as bladder cancer invades the muscle layer2022

    • 著者名/発表者名
      Yoneyama Mihoko Sutoh、Yoneyama Tohru、Tobisawa Yuki、Yamamoto Hayato、Hatakeyama Shingo、Yoneyama Takahiro、Hashimoto Yasuhiro、Suzuki Tadashi、Ohyama Chikara
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 613 ページ: 1~6

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2022.04.118

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi