筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の自然史におけるがんゲノム病理とがん免疫微小環境の経時的な変化を通してBCG療法抵抗性の機序を解明するために、これまで1)DNAおよびRNAシークエンス解析に備えたヒト膀胱癌FFPE検体(BCG療法ありの再発例およびBCG療法なしの再発例)のリストアップ作業および患者・腫瘍背景に関する臨床情報の統合データベース作成、2)リストアップしたFFPE検体(同一患者で初発・再発ペア検体が解析可能なもの)にける組織PD-L1染色、3)FFPE検体を薄切後にHE染色を行い、腫瘍部をマーキングし腫瘍含有率を求めた上で、DNAおよびRNAの抽出、4)がんゲノム病理とBCG抵抗性に寄与する免疫細胞の検討に向けた予備解析として、初発NMIBC検体を前向きに採取し、腫瘍浸潤リンパ球を分離しフローサイトメトリーでの解析を実施した。 本年度はがんゲノム病理、がん免疫微小環境が再発、進展の過程でどのように変化しているのかを明らかとするために、同一患者における初発および再発のペア検体を準備し、上記と同様にしてDNAおよびRNAの抽出を実施した。
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