我々が専用に開発した二次元高速液体クロマトグラフィーシステムにより、D-アミノ酸を高感度に検出することが可能となった。本研究では生体腎移植患者のD-アミノ酸と、イヌリンクリアランスを用いた実測腎機能との相関について解析を行い、D-アミノ酸により腎機能を推定し得るかを検討した。生体腎移植ドナーとレシピエントを対象に、血漿中および尿中のD-アミノ酸を測定した。D-セリンクリアランスは強く糸球体ろ過量と相関し、かつ従来の腎機能マーカーに比して偏りが小さかった。また、D-セリンクリアランスによる腎機能予測式を作成し、組み合わせることにより正確にGFRを算出することが可能になることを見出した。
|