尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われているが、感度、特異度ともに十分な状態ではなく、低侵襲かつ有効なバイオマーカーもない。本研究では、キャピラリー電気泳動型迅速糖鎖解析装置を用いてイムノグロブリン(Ig)分画の26種類N型糖鎖を定量し、AIデータロボットを用いた網羅的パスウェイ解析により尿路上皮癌の診断あるいは再発予測スコアを構築した。後方視的解析から、構築した診断スコアは、AUC 0.95以上、再発予測スコアは、0.78以上と既存マーカーより高い精度を示した。現在前向きに本診断・再発スコアの有用性を検討中である。
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