研究課題/領域番号 |
21K16764
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
津田 さやか 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60839075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 妊娠高血圧腎症 / 脱落膜 / 妊娠 / 制御性T細胞 / CD4陽性T細胞 / シングルセルトランスクリプトーム解析 / T細胞受容体 |
研究成果の概要 |
正常妊娠初期4例、正常妊娠後期3例、妊娠高血圧腎症(PE)3例の脱落膜CD4+T細胞をscRNAseqに供した。子宮内膜CD4陽性T細胞は、ナイーブ、濾胞性T細胞様、メモリー型、Th1/Th2中間型(7-Th1/Th2 int)、Th1、PRF+活性化型、FOXP3-Treg、Th17、FOXP3+Tregからなるヘテロな集団であった。クラスター毎の発現変動遺伝子解析では、PEでは妊娠後期に比べ、メモリーとTh1/Th2 intでT細胞活性化関連遺伝子の発現が上昇していた。さらに、PEでは、FOXP3+TregにおいてPDCD1をはじめとした疲弊関連遺伝子の発現が増加していた。
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自由記述の分野 |
生殖免疫
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胎児は母体にとって半異物であるが妊娠が維持される。免疫応答を抑える働きを持つ制御性T細胞性のT細胞の働きも必要である。妊娠高血圧腎症(PE)では、両者のバランスの不均衡により胎盤に拒絶反応が生じることが指摘されていたが、詳細なメカニズムは不明であった。本研究では、ヒトのPEの子宮では、炎症性CD4+ T細胞の一部で活性化を示す遺伝子の発現が上昇し、Tregでは疲弊して働きが低下することを示す遺伝子発現が上昇することを発見した。治療標的となりうるT細胞分画と分子の候補が明らかとなり、新規免疫学的治療開発への展開が期待される。
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