研究課題
若手研究
難治性疾患である子宮平滑筋肉腫の治療ターゲットを開発するためにisobaric tags for relative and absolute quantitation(iTRAQ)を用いて同定したKIF4Aという分子の機能解析を進めた。in vitroで siRNA によるKIF4Aノックダウンは細胞増殖を抑制し、shRNAを用いたin vivoの検証でも腫瘍増殖を抑制した。機序については結果G2/M期細胞の割合がKIF4Aノックダウンで有意に増加しており、細胞周期の関与が示唆された。また1999-2021年までの臨床サンプルで20/26例(77%)にKIF4Aの発現が見られた。
婦人科腫瘍
治療法の確立されていない子宮平滑筋肉腫に対して、網羅的タンパクのスクリーニングを行った結果からKIF4Aを同定し、その機能解析を行った。子宮平滑筋肉腫は標準療法が確立されておらず、その治療戦略の1つとしての新規標的分子が腫瘍増殖に与える影響をin vitro, in vivoで証明したとともに、細胞周期がその機能に関与している可能性を明らかにした。本研究は、治療法の確立されていない平滑筋肉腫の治療についてKIF4Aが新規ターゲットの一つとなり得る点を証明したところが学術、社会的意義と考える。