長い間、血友病は男性のみに発症する疾患と捉えられてきた。しかし、本調査研究の中で保因者となる女性の中にも軽症血友病患者レベルまで凝固因子活性値が低く、出血傾向に悩まされている保因者の女性が少なからず存在することが明らかになった。特に過多月経や分娩時・産後出血など女性特有の出血症状を認める保因者は少なからず存在し、男性の血友病とは違うケアも必要である。また、分娩時に頭部出血を認めた血友病患児の割合は非血友病患児より高く、適切な周産期管理を行うことが求められる。 血友病患者や保因者だけでなく医療者も「血友病は男性だけの疾患ではない」事を認識し、適切に対応することが肝要である。
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