研究課題
若手研究
加齢に伴い卵子は質が低下し、妊娠成績が悪化するが有効な治療方法がないのが現状である。本研究ではこうした質の低下について、卵子の細胞内でミトコンドリアと小胞体の両者が相互に影響を及ぼしていることを初めて示した。さらに、受精前の加齢卵に小胞体またはミトコンドリアの機能改善薬を使用したところ、いずれの治療薬を使用した場合も、その後の受精卵の発育成績が改善した。ただし両者の相乗作用を示すには至らず、今後の課題である。
生殖医学
我が国では年々不妊治療をうける女性の年齢が上昇しているが、加齢に伴う卵子の質低下に対する有効な治療方法はない。これまで試みた小胞体やミトコンドリアを標的とした研究では、治療成績の改善は部分的であった。本研究では、受精前の治療薬使用により小胞体とミトコンドリアのいずれを標的とした場合も治療成績が改善した。今後両者を組み合わせることで、加齢に伴う卵子の質低下に対する治療開発の足がかりとなることが期待される。