研究課題
卵巣顆粒膜細胞の小胞体ストレスが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の病態に寄与していること、Notchシグナルが卵巣で複数の機能を持つことが報告されている。我々は、PCOSの胞状卵胞顆粒膜細胞(GC)内で、小胞体ストレス(ERS)がNotchシグナルを誘導し、活性化したNotchシグナルが卵丘細胞複合体(COC)拡大を誘導していると仮定した。<結果>1.DHEA皮下注にてPCOSモデルマウスを作成。PCOS患者とPCOSモデルマウスの卵巣を用いて免疫染色を行い、Notch 2, Hey 2, Hes 1の陽性GCがPCOS群で多いことを確認した。2. 体外受精時に得られた卵胞液よりGCを分離培養し、TunicamycinとthapsigarginでERS誘導したところ、Notch 2とHey2 mRNAの発現を誘導された。この誘導は、TUDCA(ERS阻害剤)で阻害された。3. siATF4でノックダウンにて、TunicamycinによるNotch 2とHey2 mRNAの誘導は阻害された。4. DAPT(Notchシグナル阻害剤)にて、GCではtunicamycinによるERS誘導性のCOC拡大関連遺伝子の発現、およびマウスCOCにおけるtunicamycinによるERS誘導性の卵丘細胞の拡大が抑制された。<結論>PCOSのGCにおいてNotch2シグナルが活性化され、COCの拡大を制御していることを示唆された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Front Endocrinol (Lausanne)
巻: 14 ページ: 0
10.3389/fendo.2023.1124405
Biomolecules.
巻: 12 ページ: 0
10.3390/biom12081037