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2022 年度 実施状況報告書

Napsin A発現に関わる転写因子解析結果を基盤とした卵巣明細胞癌発生機序解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K16820
研究機関獨協医科大学

研究代表者

岩本 雅美  獨協医科大学, 医学部, 協力研究員 (30826649)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード卵巣癌 / 明細胞癌 / Napsin A / 転写因子解析
研究実績の概要

Napsin Aは末梢型肺腺癌のマーカーとして知られているが、女性生殖器より発生する明細胞癌においても高発現している。しかし明細胞癌におけるNapsin Aの発現機序は不明であり、本課題ではその発現メカニズムを明らかにすることを研究目的としている。
初年度に、卵巣明細胞癌においてNapsin Aの発現に関与する転写因子を解析するため、NAPSA遺伝子活性化に関与しうる転写因子3種類(A,B,C)の遺伝子導入が、形質変化に及ぼす影響について解析を行った。その結果、転写因子A導入株では軽度の発現抑制傾向が、転写因子Cでは軽度の発現亢進傾向が見られた。転写因子Bでは一定の傾向は掴めなかった。いずれも、劇的な変化を示すまでの候補転写因子は見つかっておらず、Napsin A発現に強く関与し得る転写因子の同定には至らなかった。
今年度は、卵巣明細胞癌株で高い発現を示し、卵巣類内膜癌株で発現のほとんど見られなかった他の候補転写因子Dに注目して検討を進めた。結果、転写因子D導入株では、転写因子A~C導入株よりも高い発現亢進傾向がみられた。そこで、新たな候補転写因子Dと、これまで検討してきた転写因子を共発現させた発現ベクターを作製し、NAPSA発現の見られなかった卵巣類内膜癌株に遺伝子導入することで、候補転写因子を強制発現させた細胞株を作製しNAPSAの発現変化を解析することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たな候補転写因子を用いた検討を施行でき、さらに候補転写因子を共発現させた発現ベクターを作製し卵巣癌細胞株に遺伝子導入できた点から、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年度に検討した候補転写因子Dは、これまでの候補転写因子A~CよりもNAPSA発現亢進傾向が見られ、Napsin A発現に強く関与し得る可能性が示唆されたが、劇的な変化とまでは言い難い。今後は、これまでに検討してきた候補転写因子を共発現させた細胞株を用いて、Napsin Aの発現にどのような変化が生じるかを解析したい。さらには、当該転写因子の遺伝子をノックアウトすることにより惹起される遺伝子発現変化についても検討していきたい。

次年度使用額が生じた理由

学会参加旅費が、当初予定していたよりも低く抑えられたことから、繰り越しが生じた。
残額は次年度、遺伝子導入や遺伝子ノックアウトによる解析を進めていく上で必要な消耗品に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Paclitaxel sensitizes homologous recombination-proficient ovarian cancer cells to PARP inhibitor via the CDK1/BRCA1 pathway2023

    • 著者名/発表者名
      Yanaihara N, Yoshino Y, Noguchi D, Tabata J, Takenaka M, Iida Y, Saito M, Yanagida S, Iwamoto M, Kiyokawa T, Chiba N, Okamoto A
    • 雑誌名

      Gynecol Oncol

      巻: 168 ページ: 83-91

    • DOI

      10.1016/j.ygyno.2022.11.006.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Clinical outcomes in pregnant women with coronavirus disease 2019 in a perinatal medical center in Japan: a retrospective study of the first 1 year of the pandemic2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi K, Kobayashi Y, Sato M, Nagae S, Kondo I, Funaki S, Sato T, Konishi A, Ito Y, Kamide T, Hoshina T, Kanuka H, Kobayashi M, Sakurai Y, Iwamoto M, Takahashi H, Samura O, Okamoto A
    • 雑誌名

      J Obstet Gynecol

      巻: 42 ページ: 2684-2692

    • DOI

      10.1080/01443615.2022.2082277.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Validity of the 2014 FIGO Stage IIIA1 Subclassification for Ovarian, Fallopian Tube, and Peritoneal Cancers2022

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka A, Tate S, Nishikimi K, Iwamoto M, Otsuka S, Shozu M
    • 雑誌名

      In vivo

      巻: 36 ページ: 2453-2460

    • DOI

      10.21873/invivo.12980

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 肝原発神経内分泌癌の一剖検例2022

    • 著者名/発表者名
      鵜飼なつこ,岩本雅美,小峯多雅,上田薫,鷹橋浩幸,下田将之
    • 学会等名
      第111回日本病理学会総会
  • [図書] 腫瘍病理鑑別診断アトラス 子宮体癌第2版2023

    • 著者名/発表者名
      岩本雅美
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      文光堂

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公開日: 2023-12-25  

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