研究課題/領域番号 |
21K16824
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
佐野 匠 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (30817185)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔内マイクロバイオーム / 口腔内細菌叢 / 喫煙妊婦 |
研究実績の概要 |
これまで大阪府高槻市との事業として、妊娠期の栄養摂取状態が出生児の口腔内細菌叢形成、及びその児の成長・発育に及ぼす影響を縦断的に検討することを目的として、601例のリクルートを完了した。そして妊婦の口腔内マイクロバイオームの大規模データを網羅的に収集を開始しており、妊娠合併症や有害な妊娠転 帰との関連を調査してきた。また今回健常女性と正常妊婦の口腔内マイクロバ イオームの菌種組成の解析を行った。口腔内マイクロバイオームの検体採取方法 は、被験者にコットンを噛んでもらい唾液を吸着させる方法(コットン法)で唾液を採取し、同時に口腔内環境(歯周病やう蝕の有無など)を調査した(口腔外科学 教室)。また唾液からDNAを抽出し、細菌の共通遺伝子である16SリボソームRNA遺伝子をPCR増幅し、メタゲノムシークエンスで網羅的解析を行った。シークエン ス解析は外部機関に委託する(株式会社ビケンバイオミクス)。更に微生物学教室の協力の下、細菌構成比のデータ解析を行った。得られたデータより、健常女性 と妊婦の口腔内マ イクロバイオームの菌種組成の相関関係を調査した。 正常妊婦と妊娠合併症を発症した妊婦、また有害な妊娠転帰に終わった妊婦の口腔内 マイクロバイオームの菌種組成の変化の解析を行った。妊娠合併症を起こした妊婦および有害な妊娠転帰に終わった妊婦(早産、妊娠高血圧症候群、 胎児発育不全、妊娠糖尿病、肥満妊婦)を産科患者から抽出し、口腔内マイクロバイオームを上記と同様の方法で調査解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で患者リクルートが遅れている現状があるが、今年度よりその遅れを回復できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの影響で患者リクルートが遅れている現状があったが、新型コロナ5類引き下げに伴い、リクルートを再開する準備が整い、とくに妊娠合併症を起こした妊婦および有害な妊娠転帰に終わった妊婦(早産、妊娠高血圧症候群、 胎児発育不全、妊娠糖尿病、肥満妊婦)をリクルートして口腔内マイクロバイオームの解析を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度においての研究費用に利用する。患者リクルートはコロナの影響を受けたが、解析研究については概ね計画通りに使用した。しかし若干の次年度使用額が生じた。 次年度も引き続き次世代シークエンスによるマイクロバイオーム解析を行うため、次年度の研究費とあわせて使用する予定である。
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