NRF2の活性化は蝸牛における酸化ストレス障害を軽減させ、難聴の進行を抑制するという非常に重要な機能を持つと考えられる。 しかし、全身性のNRF2活性化マウスにおける加齢性難聴の解析では聴力低下の抑制が不十分な部分もあった。本研究では内耳の血管条やラセン靱帯といった蝸牛側壁や、ラセン板縁といった領域が酸化ストレス障害が生じやすいことが示唆され、その領域で特にNRF2活性化を誘導することが効果的な難聴治療・予防につながると考えられた。今後、これらの領域に着目し、更に検討を更に行うことで、酸化ストレス障害と関連した新たな分子機構の発見につながることも期待される。
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