研究課題/領域番号 |
21K16826
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 淳 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10755648)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | メニエール病 / 内リンパ水腫 / プロテオーム解析 / 前庭 / めまい |
研究実績の概要 |
メニエール病の内耳病態が内リンパ水腫であることが報告されて久しいが、内リンパ水腫形成のメカニズムについては未だ十分な解明が成されていない。内リンパ水腫の形成が内耳における水代謝の恒常性維持機構の破綻と捉えるならば、メニエール病の病態解明のためには、内耳水代謝関連タンパクに関する制御機構の解析が必要不可欠である。 本研究では、メニエール病のモデル動物を作成し、内耳における水代謝関連タンパクの発現変化をプロテオーム解析を用いて網羅的に解析し、発現変化のみられたタンパク質を中心に免疫組織学的な検証を行う。さらに、臨床的にメニエール病治療に有効とされている塩分制限食による内リンパ水腫の軽減効果を同モデル動物を用いて神経耳科学的検査、画像検査、組織学的手法で検証する予定である。 これまで、メニエール病の組織所見と類似した、内リンパ嚢発育不全モデル動物として、内リンパ嚢を電気焼灼により閉塞し、4週間飼育することで作成し、組織学的に内リンパ水腫形成を確認した。同モデルと偽手術を行った対照群において、塩分制限食を給餌し、蝸牛・前庭における内リンパ水腫形成に対する軽減効果を聴性脳幹反応(ABR)検査や前庭誘発嚢電位(VsEP)検査で評価し、免疫組織学的な解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
内リンパ嚢発育不全モデルマウスの高磁場MRIによるin vivoでの内耳の内リンパ水腫の撮像に苦慮しているため。
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今後の研究の推進方策 |
リンパ嚢発育不全モデル動物に対して、当初予定していた高磁場MRIによるin vivoでの内リンパ水腫の評価ができなければ、同一個体での経時的変化を追うことは困難であるが、各観察期間で内耳を採取し、OCTないし動物用マイクロCTを用いることで研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外学会への旅費を計上していたが、進捗状況が遅れていたため。
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