研究課題/領域番号 |
21K16829
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水田 匡信 京都大学, 医学研究科, 助教 (20777875)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔癌 / バイオマーカー / 糖鎖解析 |
研究実績の概要 |
口腔癌は進行癌で発見されることが多く、早期癌は5割程度にとどまる。治療成績の向上には、病変の早期発見および診断方法の確立が求められるものの、口腔癌の腫瘍マーカーとして信頼性の高いものは存在しないのが現状である。近年、細胞間コミュニケーションの担い手として、細胞外小胞の一種であるエクソソームが注目されるようになってきた。がん細胞由来のエクソソームには、がん細胞固有のマイクロRNAや表面タンパク、DNAなどが含まれ、かつ癌発症の初期段階から放出されていることなどから、様々な臓器で新規バイオマーカー探索の対象となっている。そこで、本研究では、タンパク質や脂質と結合することにより機能調節に働き、核酸とタンパク質に次ぐ第三の生命鎖とも呼ばれる糖鎖に注目し、体液、腫瘍組織などの臨床サンプルから抽出したエクソソームの網羅的糖鎖解析を行うことにより、頭頸部癌に対する新規バイオマーカーの同定することを目的としている。 今年度は、健常者および口腔癌患者より唾液サンプル(2-5ml)を採取し、MagCaptureエクソソームアイソレーションキットPSを用いて遠心、濃縮、精製を行うことで、エクソソームを抽出することができることを確認した。抽出したエクソソームは、ナノトラッキング粒子径測定装置を用い、健常者、口腔癌患者いずれにおいても150 nm程度の粒径であることを確認した。さらに、ELISAやWestern BlottingによりCD63などの発現を確認するとともに、Micro BCA assayによりエクソソーム量を定量したところ、0.5-2μg程度のタンパク量であるこを確認した。続いて、健常者サンプルを用いてレクチンアレイによる表層糖鎖プロファイリングを行い相対蛍光度を比較した。一部のレクチンにおいて年齢や性差により相対蛍光度が異なっていることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルス感染症の流行に伴い、唾液サンプルの採取に制限がかかったため、臨床サンプルの集積に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
安全に唾液サンプルを扱う環境を整備し、予定通り解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19流行により臨床検体の収集がすすまず、次年度使用額が生じたが、予定通り2022年度に使用予定である。
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