研究実績の概要 |
2021年度までに蝸牛が成熟している生後4週目の野生型マウスに対し、Round window membrane + Canal fenestration法(以下RWM+CF法)で2種類のAdeno associated virus (以下AAV)を内耳に導入した。血清型タイプ2(以下AAV2)、血清型タイプ9(以下AAV9)を用い、それぞれのベクターには蛍光タンパクであるeGFP(緑色蛍光)とmCherry(赤色蛍光)を組み込んだ。その際の濃度は先行研究での濃度に合わせるように、各ベクター濃度はその半分の濃度とした。具体的な濃度は以下の通りである。AAV2- EGFP at 1.84 _ 1012 GC/mL, AAV2-mCherry at 1.07 _ 1012 GC/ mL, AAV9-EGFP at 1.2 _ 1012 GC/mL, AAV9-mCherry at 1.24 _ 1012 GC/mL.。 注射後2週間目に聴性脳幹反応で聴力を評価したところ、注射された側の耳と対側の未治療の耳を比較し、低音域から高音域にかけて明らかな聴力低下を認めず、Dual transductionによる聴毒性は認めないと判断した。聴力を評価した後に安楽死させた上で、側頭骨を採取し、内耳を取り出し、固定した。今後は免疫染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡による内有毛細胞及び外有毛細胞への感染率を検討する予定である。
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