研究課題/領域番号 |
21K16835
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
伏見 千宙 国際医療福祉大学, 大学病院, 講師 (20623531)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 唾液腺導管癌 / MSI / ペンブロリズマブ / マイクロサテライト不安定 |
研究実績の概要 |
2021年度中に、唾液腺導管癌全300症例のブロック選定を施行した。1症例あたり未染標本を50枚ずつ収集した。プレパラートの見直しを行い腫瘍組織ならびに比較対象のための正常組織ブロックの選定を施行した。追加収集しているものもあるが、おおむね予定通り選定終了している。 正常組織および腫瘍組織から抽出したDNAをPCR法にて抽出している。また、一部症例の解析を先行して開始し9%にDNAミスマッチ修復蛋白の発現消失を認めたが、MSH-I症例は先行研究で10%認めたのに対して少ない可能性がある。中間解析として、MSH-I、PD-1、PD-L1、CTLA-4、CD8、FOXP3、MMRに対する免疫染色を施行し、それらの染色性について各種マーカーの相互関係や予後を含めた臨床病理学的因子との比較検討を行った。その結果を日本病理学会にて発表を行った。また、追加解析を行った内容を含めて、日本医学会総会に提出予定である。 現在は、正常組織および腫瘍組織から抽出したDNAをPCR法にて処理を行っている。並行して、一部はMSI検査を施行している。免疫染色にてPD-1、PD-L1、CTLA-4、CD8、およびFOXP3を検討している。 また、ラドバウト大学(オランダ)との共同研究を開始し、抗アンドロゲン療法の予後とアンドロゲン受容体経路の関連に関する研究にも協力し、その一部の内容は論文化されている。並行して、臨床情報の収集は継続して行い随時更新している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度前半で、唾液腺導管癌のプレパラートの見直しを行い腫瘍組織ならびに比較対象のための正常組織ブロックの選定を施行した。追加収集しているものもあるが、おおむね予定通り選定終了している。 現在は、正常組織および腫瘍組織から抽出したDNAをPCR法にて処理を行っている。また並行して、一部はMSI検査施行している。臨床情報の収集は継続して行い随時更新している。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に唾液腺導管癌症例のMSIの検査を終了予定である。その結果とこれまでに多施設共同研究ですでに得られている臨床項目との関連性をロジスティック回帰分析およびコックス比例ハザードモデルにて検定する。 具体的には、唾液腺導管癌手術治療における無病生存期間、全生存期間、病理組織学的所見および各種バイオマーカー、アンドロゲン遮断療法や抗HER2療法の奏効率、臨床的有用率、平均無増悪生存期間、平均全生存期間、ニボルマブ投与症例の奏効率、臨床的有用率、平均無増悪生存期間、平均全生存期間をMSIの結果と検討する。 また、バイオマーカーに関しては随時追加し判定していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前年度に計画していたブロック選定が順調に進み、DNA抽出から一部MSI検査を行っている。研究に使用する薬品が設定より使用が少ないことと、コロナ蔓延にて学会発表等が制限され、次年度使用額が生じた。今年度もさらに研究を進めるにあたり必要と考えている。
|