マウスの舌で、K-rasG12D発現に加えてPP6ホスファターゼ遺伝子(Ppp6c)を欠損させると早期に上皮内癌が発症し約2週間で安楽死処置となった。一方でK-rasG12D発現のみでPpp6cが正常の場合はほとんど野生型の舌と区別がつかなかった。K-rasG12D+Ppp6c欠損の腫瘍組織においては、ERK-ELK-FOS axis、AKT-4EBP1 axis、 AKT-FOXO-CyclinD1の活性化が認められた。また、γH2AXの蓄積とNFkB経路の活性化が認められた。マウス舌において、PP6の機能不全は、KRAS(G12D)依存的腫瘍化を強く増強させることを明らかにした。
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