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2022 年度 実施状況報告書

遺伝性症候性難聴の機能解析と遺伝子治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K16863
研究機関滋賀県立総合病院(研究所)

研究代表者

十名 理紗  滋賀県立総合病院(研究所), その他部局等, 主任研究員 (30717020)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード難聴 / 遺伝性疾患 / 症候性難聴 / てんかん / 内耳
研究実績の概要

本研究は、非症候性難聴および症候性難聴の両者の原因となるTBC1D24遺伝子に着目し研究を進めている。CRISPR/Cas9ゲノム編集を用いて、TBC1D24の非症候性てんかんのモデルであるS324Tfs*3変異マウス、非症候性難聴DFNB86のモデルであるD70Y変異マウスおよびDFNA65のモデルであるS178L変異マウス、症候性難聴のモデルであるH336Qfs*12変異マウスを作成した。このうち、S324Tfs*3マウスは、生後2週以降にけいれん発作を起こし、生後3週で死に至ることがわかっている。
Tbc1d24のS324Tfs*3変異はマイクロエクソン上にあり、S324Tfs*3マウスにアンチセンスオリゴヌクレオチド (ASO: Antisense Oligonucleotides) を投与することによって、てんかん発作の抑制や生存期間が延長されるかをアウトカムとし、今後のヒトに対する遺伝子治療への応用を目的としている。2022年度までにTbc1d24遺伝子のS324Tfs*3変異マウスおよびコントロールマウスの腎細胞を用いてprimary cell lineを作成した。また、マイクロエクソンに作用する複数のASOを設計し、primary cell lineに対してどの配列のASOが最も効果があるかを評価した。2022年度は、in vitroで効果の高かったASOを2種類選択し、実際に変異マウスへの投与を開始した。
一方、TBC1D24と相互作用するタンパク質としてKIBRAを同定した。TBC1D24はTBCドメインとTLDcドメインからなるが、これまでの研究でマウスのKIBRAは、TBC1D24のTLDcドメインと相互作用することを明らかにした。2022年度は、これまで相互作用を確認していたマウスでの配列に加え、ヒトでの配列においても相互作用するかを評価した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ASOを用いた遺伝子治療に関しては、おおむね計画通りに研究が進んでいる。TBC1D24と相互作用するタンパク質の機能解析に関しては、マウスにおけるタンパク質の配列で評価するのに加え、ヒトの配列でも評価を追加したため予定よりはやや遅れているが、全体としての研究はおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

研究はおおむね計画通りに行われているので、今後も研究計画通りに研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

参加を予定していた国際学会にCovid-19の影響で参加できなかったため、次年度繰り越し使用とする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] NIDCD/NIH/University of Iowa(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      NIDCD/NIH/University of Iowa
  • [雑誌論文] Unbalanced bidirectional radial stiffness gradients within the organ of Corti promoted by TRIOBP2022

    • 著者名/発表者名
      Babahosseini Hesam、Belyantseva Inna A.、Yousaf Rizwan、Tona Risa、Hadi Shadan、Inagaki Sayaka、Wilson Elizabeth、Kitajiri Shin-ichiro、Frolenkov Gregory I.、Friedman Thomas B.、Cartagena-Rivera Alexander X.
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 119 ページ: e2115190119

    • DOI

      10.1073/pnas.2115190119

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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