研究課題
若手研究
研究代表者はこれまでに1998年から2012年にかけて加齢黄斑変性症(Age-related macular degeneration, 以下AMD)患者の有病率が我が国において有意に上昇していることを報告した。さらに2017年のデータを追加することにより、約20年に渡り高齢化に伴い上昇していることを確認中である。同時に栄養素の血中濃度のデータ及び食事パターンの分類を合わせることでAMD有病率との関連を検討中である。
眼科疫学
AMDは、老化に伴って黄斑部に出血や浮腫をきたす疾患である。近年、欧米で抗酸化作用をもつ栄養素がAMD発症のリスクを低下させることが報告され、サプリメントとして販売されている。しかし、AMDは日本人特有の病態があり欧米の報告を日本人に代用することには疑問が残る。久山町研究では栄養摂取状況が国民栄養調査の成績とほとんど変わりがなく、食事調査は70項目の食物摂取量を使用し、栄養素は採血検査で正確に把握でき、わが国の高齢者における食生活の実態を正確に反映することが可能である。そのためAMD発症に有効な栄養素を含む食品及びその組み合わせ(食事パターン)を検討し、その関連を明らかにすることができる。