研究課題/領域番号 |
21K16876
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中間 崇仁 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30827556)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 血管新生緑内障 / 線維血管増殖 / 抗VEGF療法 / マトリセルラー蛋白 |
研究実績の概要 |
本研究は、近年我が国でも承認された抗VEGF療法を含む集学的治療でも制御不能な難治性血管新生緑内障の病態に関して、マトリセルラー蛋白を中心に検討し、新しい治療標的として臨床応用を目指すことを目的としている。 2021年度はまず、現状把握のために血管新生緑内障に対する集学的治療成績と臨床病態との相関を検討した。対象を血管新生緑内障に対して初回チューブシャント手術を施行した症例として後ろ向きに検討したところ、症例の7割弱は手術前に抗VEGF療法を併用していた。また、血管新生緑内障の原因疾患としては7割5分が増殖糖尿病網膜症だった。これらの結果から、制御が難しい血管新生緑内障の病態には、やはり眼内線維血管増殖が重要であり、抗VEGF療法による血管新生抑制のみでは制御出来ない症例が多く存在し、線維増殖の抑制も重要だと考えられた。血管新生緑内障に対する初回チューブシャント手術後の眼圧経過は1年間という比較的短期間での検討では良好であったが、約4割の症例では手術後にt-PAの前房内投与を施行していた。t-PAの前房内投与は、フィブリンや血液等での術後チューブ閉塞の解除を主目的として施行していることから、血管新生緑内障に対するチューブシャント手術後も、術前同様線維血管増殖の制御が必要な症例が存在すると考えられた。 現在、前房水などのサンプルを用いて、血管新生緑内障における線維血管増殖に関与するマトリセルラー蛋白の同定を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究である血管新生緑内障に対する治療成績と臨床病態の相関検討に関しては概ね予定通り進捗した。基礎研究である、血管新生緑内障における線維血管増殖に関与するマトリセルラー蛋白の同定に関しては、サンプルを集めている段階であり、まだ解析までは至らずやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究に関しては、治療法の違いによる治療成績の比較など、引き続き検討する。 基礎研究に関しては、前房水などのサンプルを可及的速やかに増やして、血管新生緑内障における線維血管増殖に関与するマトリセルラー蛋白の同定を進める。抽出された因子に関しては、血管新生緑内障の線維血管増殖における機能解析を進め、新規治療標的となる可能性を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床研究に使用する研究費は少なく、使用額の多い基礎研究はサンプルを増やしている段階のため。サンプルが集まった段階で研究試薬等、使用額が一気に生じる予定のため、次年度に繰り越して使用予定。
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