我々は2017年に福岡県久山町の地域住民約3000名を対象にして緑内障有病率調査を実施し、前向きコホート研究として追跡を続けている。本調査では光干渉断層計を活用して緑内障、前視野緑内障を鋭敏に検出していることが特徴である。世界的に見てもコホートレベルでの光干渉断層計パラメータと緑内障発症との関連は明らかになっていないため、我々のデータセットは学術的価値が高い。また詳細な全身・遺伝因子のデータが取得されていることも本研究の強みとなる。高齢化社会において緑内障の罹患者ならびに緑内障による視覚障害者が大きく増加することを考えれば、その一次予防に繋がる本研究の社会的な意義が大きい。
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