研究課題/領域番号 |
21K16879
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
岩西 宏樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40784319)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スフィンゴシン-1-リン酸 / レーザー誘発脈絡膜新生血管 / TGFb / 創傷治癒 / 滲出型加齢黄斑変性 |
研究成果の概要 |
S1P3欠失マウスにおいてレーザー誘発脈絡膜新生血管(CNV)は有意に抑制され、レーザー照射組織におけるTGFb1を含む炎症性サイトカインの発現が低下していた。S1P3欠失マウスと野生型マウス間での相互骨髄移植後のレーザー誘発CNVは有意差がなかった。S1P3欠失マウスのレーザー誘発CNV組織におけるS1P2の発現亢進を認めた。S1P3欠失マウスへのS1PR2選択的阻害薬の全身投与で新生血管抑制が増強されなかった。 In vitro tube formation assayでもS1P3選択的阻害薬よる管腔形成抑制に対して、S1P2選択的阻害剤の追加による管腔形成抑制追加効果はなかった。
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自由記述の分野 |
眼創傷治癒
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢黄斑変性は先進国中途失明原因の上位疾患である。滲出型加齢黄斑変性に対して臨床的に抗VEGF抗体の硝子体内注射が有効であるが、一度退縮した新生血管の再燃による繰り返し投与とそれに伴う高額な医療費、治療中の線維瘢痕化に伴う不可逆的視力障害などの課題がある。 本研究で、マウスモデルで滲出型加齢黄斑変性における新生血管へのS1P受容体レベルでの関与を証明した。S1P3シグナル抑制によるTGFbシグナルの抑制も認めた。シグナル補完に関しては、血管新生抑制に関してS1P2とS1P3同時阻害による追加作用はなかった。S1P3シグナル単独抑制が滲出型加齢黄斑変性の新たな治療ターゲットになり得ると結論付けた。
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