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2023 年度 実施状況報告書

網膜色素変性における抗網膜抗体の解析と病態修飾の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16889
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 孝幸  北海道大学, 大学病院, 医員 (40793633)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード網膜色素変性 / 自己免疫性網膜症 / 抗網膜抗体
研究実績の概要

遺伝性網膜変性疾患である網膜色素変性(retinitis pigmentosa; RP)は、網膜に発現する分子の遺伝子異常によって視細胞が障害される疾患群であり、進行性の夜盲、求心性視野狭窄、 視力低下を主徴とする。一般的にRPは視細胞のうち明暗の区別に働く桿体細胞に関わる遺伝子の異常によって機能障害を引き起こし、広範な杆体細胞死に至ることで発症する。しかし、主に網膜中心部に分布し、色の区別に働く錐体細胞にも機能障害が及び、中心視力が障害される機序は明らかにされていない。また、視力低下や歪視の原因となる嚢胞様黄斑浮腫の合併は、炭酸脱水酵素阻害薬やステロイド薬による治療が行われるが、治療反応性は症例によって異なるため、複合的な発症機序が推察されている。 抗網膜抗体は網膜に対する自己抗体の総称であり、抗網膜抗体を原因とする網膜症は自己免疫性網膜症と呼ばれる。抗網膜抗体の標的分子はさまざま報告されているが、本研究では、RPの病態にそれらの多様な抗網膜抗体が病態修飾している可能性を推測し、RP患者における臨床像と抗網膜抗体の関連を検討することを目的とする。これまでに自己免疫性網膜症で関与が報告されている抗網膜抗体の標的分子について網羅的に解析し、検出された抗網膜抗体の種類とRPの臨床像との関連を明らかにする。
本研究は学内倫理審査委員会の承認を得て開始した。対象となる網膜色素変性患者(疾患群)および対照群の患者より血液検体を採取し、ウエスタンブロット解析による抗網膜抗体の調査を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象となる疾患群および対象群の症例登録、ならびに抗網膜抗体の解析に遅れが生じているため。

今後の研究の推進方策

本研究の症例登録期間内に登録された疾患群は36例、対照群は22例であった。これらの検体をもとに引き続きウエスタンブロット解析をすすめる。解析結果をもとにして、臨床像との比較検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

理由:症例の登録と解析に遅れが生じたことで、recombinant proteinおよび陽性コントロールとなる抗体、その他物品が消費されず、研究費が低額となったため。

使用計画:令和6年度は登録された症例について、引き続き解析をすすめていく。解析を進める上で物品購入費が増えるため、それに対して次年度使用額分の研究費があてられる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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